至高の料理を食べ比べる普通のグルメ漫画とは違う、素朴で共感できる感想の数々です。飾らない、味のある名言がいっぱいですね。
『孤独のグルメ』(こどくのグルメ)は、扶桑社の『月刊PANJA』誌上で1994年から1996年にかけて連載されていた原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる漫画。一度完結していたが、『SPA!』2008年1月15日号に読み切りとして復活。その後、『SPA!』上で不定期に新作が掲載されている。また、食品会社とコラボレーション企画と称して、商品を食する漫画を掲載することもある。
久住のデビュー作『夜行』は夜汽車で男が独り弁当を食べる漫画であるが、これを読んでいた『月刊PANJA』の編集者から「絵柄を変えて大人向きの漫画が描けないか」と持ちかけられたことがきっかけである。その頃のグルメブームに辟易していた久住と編集者は、打ち合わせを行い「孤独にグルメを楽しんでいる漫画」の方向性を得てタイトルも決まった。作画を谷口にすることは、編集者の希望であった。1996年連載終了時までの作品(1話 – 18話)をまとめた単行本が出版されている。当初は3刷で絶版になるなど、けっしてヒット作とは言えなかった。2000年になり文庫版が出版されてから年2回の増刷がかかるようになり、その実績から2008年には新装版が発売されている。文庫版は21刷、8万8千部とロングセラーになっており、女性読者が4割を占める。
個人で雑貨輸入商を営んでいる井之頭五郎(いのがしら ごろう)が、仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様を描いたグルメ漫画。主人公が訪れる場所は高級料理屋などではなく、大衆食堂のような店がほとんどである。また、出先での食事がメインのため、出張などを除けば大半が東京を中心とする関東の店となっている。料理の薀蓄を述べるのではなく、ひたすらに主人公の中年男の食事シーンと心理描写を綴っているのが特徴。ドラマティックな展開などは少なく、あたかもドキュメンタリーのごとく淡々とストーリーが流れていく。
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