漆原友紀による漫画 2003年の文化庁メディア芸術祭・漫画部門優秀賞ほか多数受賞
ヤツらは決して友人じゃない。ただの奇妙な隣人だ。
ただ流れるためだけに生じ、何からも干渉を受けず、影響だけを及ぼし、去ってゆく。
あの光は目の毒だ、慣れ過ぎると陽の光が見れなくなる。
生まれた地に戻りさえすれば、また生涯、他の些細な蟲からは守ってくれようとするモノだがな。
普通に生きりゃぁいいんだよ
魚が取れりゃ少しは楽になるだろう いつでも船を出せるようあの洞をみなで削ればいい
容易なことじゃないだろう だが、お前の目の前には果てしなく膨大な時間が広がっているんだからな
魚が取れりゃ少しは楽になるだろう いつでも船を出せるようあの洞をみなで削ればいい
容易なことじゃないだろう だが、お前の目の前には果てしなく膨大な時間が広がっているんだからな
土に埋めれば周囲に一年限りの豊穣をもたらし、代償として恵みを受けた生命体の一つを奪ってゆく。
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そいつで蟲を串刺しにして飾るのか、卑しい蟲師め
美事なもんだ…人の気など知りゃしねぇ、なぁ、クチナワよ
瞼の裏にね、もうひとつの瞼があるの
緑が異様なくらい鮮やかな場所だなここは・・・
誰もが息を潜める頃に、芽吹くは春のまがいもの。春と浮かれて長居をすれば、いつしかその身は凍りつく。
闇の中では、誰しも何かの幻に脅える。闇に遊び、踊り戯れるは異形ばかり。
ただそこに存在し、あるようにあるだけ。
私、この沼の一部になるの。
一日一日、一刻一刻、が息を呑むほど新しくて 何かを考えようとしても、追いつかないくらい いつも心の中が一杯だったの。
今は恐ろしいの。目が覚めても、ただ昨日までの現実の続きが待っている。目の前に広がる、あてどない膨大な時間に足がすくむ。
今は恐ろしいの。目が覚めても、ただ昨日までの現実の続きが待っている。目の前に広がる、あてどない膨大な時間に足がすくむ。
二つ目の瞼は、長い時間閉じすぎると闇に目玉が喰われるんだよ
蟲とは生と死の間にあるモノだ。者のようで物でもある。死にながら生きているようなモノ
それでも生きてるんだよ。
ブログ管理人のコメント
自然の一種のように偏在している蟲に翻弄される人間模様を描いた、古き良き日本の雰囲気が漂う傑作です。情緒あふれる名言ばかりです。ブログ管理人は禁種の蟲を封じているせいで満足に歩けない淡幽が好き。
自然の一種のように偏在している蟲に翻弄される人間模様を描いた、古き良き日本の雰囲気が漂う傑作です。情緒あふれる名言ばかりです。ブログ管理人は禁種の蟲を封じているせいで満足に歩けない淡幽が好き。
『蟲師』(むしし)は、漆原友紀による日本の漫画作品、およびそれを原作としたアニメ、実写映画、ゲーム作品である。
時代背景は作者曰く「鎖国を続けた日本」もしくは「江戸期と明治期の間にある架空の時代」で、登場人物は(主人公のギンコを除いて)和装をしており、風景も日本の原風景を思い起こさせるようなノスタルジックなものとなっている。また、物語の語り方として必ず人物の回想を用いる点も特徴的であり、ギンコが行動する時間や行動範囲に収まらず、伝聞による時間・世界も描かれている。2003年の文化庁メディア芸術祭・漫画部門優秀賞、2006年の第30回講談社漫画賞・一般部門受賞、2007年の文化庁メディア芸術祭「日本のメディア芸術100選」マンガ部門選出。
「蟲」それは動物でも植物でもない、生命の原生体。本来棲む世を隔てたヒトと蟲とが重なるとき、人智を超えた妖しき現象が生まれ、ヒトは初めてその存在を知る。全ての生命は、他を脅かすために在るのではないただ、それぞれが在るように在るだけ。こうした「蟲」とヒトとをつなぐ「蟲師」であるギンコが、旅の途中で様々な人々とそれに関わる蟲達に出会ってゆく。
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