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不条理だ、世界は理不尽なことに溢れてる。穢翼のユースティアの名言

穢翼のユースティア 名言格言セリフ

オーガストより2011年4月28日に発売された恋愛アドベンチャーゲーム

 

感謝と祈りを忘れぬ限り、神は我々をお救い下さいます 私とともに、祈りを捧げましょう

 

ティアは思う──
思えば、わたしは石ころみたいなものだ。
自分の好きには動くことができなくて、どこに置かれるかは周りの人次第。雨の中でも火の中でも、置かれた場所でじっと耐えなくちゃいけない。
宝石みたいに光ってたら大事にしてもらえたかもしれないけど、自分はただの汚い石ころだった。
どうして、石ころに生まれてしまったんだろう。

 

どうして、いつもこんな風になってしまうのだろう。明日は良くなる、明後日はきっとましになる。そう願い続けてきたけど、現実がわたしの期待に応えてくれたことはなかった。牢獄に来て何か変わるかと思ったけど、やっぱりいつも通り。ううん、もっと悪くなった。羽が生え、最低の環境ですらも爪弾きにされる身になってしまったのだ。
でも、いいこともあった。情報のためではあったけど、カイムさんが優しくしてくれた。お料理を作らなくても、掃除をしなくても、殴られなくても・・・・・・ただそこにいるだけで、話しかけてくれた。わたしの話を聞いてくれた。本当に嬉しくて、騙されていることなんかどうでもよくなった。

 

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お前の生まれ持った運命ってのが見てみたくなったんだ。傍にいればわかるんだろ?

 

甘い幻想に頼ってはいけない。結果を良い方向に見積もってはいけない。辛いとき、苦しいとき、人は往々にして希望的な結末を夢想して無謀な道を選び、玉砕する。それは単に、苦悩から解放されたかっただけのこと。牢獄で散々見てきた、よくある滅亡の形だ。楽観しては、絶対にいけない。

 

「金銭的な価値は低いかもしれないが、私たち家族の魂だ」
結局、その魂がフィオネを縛り、正しさという牢獄に彼女を閉じこめているのではないか。この剣があるからこそ、フィオネは常に正しさに監視され、至らぬ自分を責め続けなければならない。俺の目には、恩賜の剣が、呪いの象徴にも見えてしまう。

 

誰もが、人生の転機では過去を断ち切ろうとするものだ 大きな転換であればあるほどな だが人は、そう簡単に過去を消すことはできない だから、考え方や価値観を無理に変えようとすると、気持ちが不安定になってしまう これは、俺自身の経験からも間違いない
そして、その不安定さは、時にとても危険なものなんだ 周りも見えずに無謀な目標に突っ走ったり、目標の喪失自体に戸惑って甘い罠に引っかかったり 叶いもしない仇討ちに命を投じたり ゴミのように命を捨てる人間を山ほど見てきた 俺は……フィオネには、そんな風になってほしくない

 

落ち着けるわけないでしょ!?好きな人を殺されたのよ!?あの人……私を迎えに来てくれるって……私にもやっと幸運が巡ってきたってのに……それを、殺すなんて
あんたに何がわかるのよ?あんたは売れて売れて仕方なかった女でしょ?おまけに先代に身請けされて、店までもらって わかってんの!?あんたは牢獄で一番恵まれた女なんだよ!?気持ちはわかる?ふざけんじゃないわよ!あたしらみたいな売れない女は、どうせ年季が明ける前に死ぬんだ 嘘だとわかってたって、男の言葉にゃすがっちまうんだよ!そうじゃなきゃ……あんまり何もないじゃないか!?あたしは、知らない男に抱かれるためだけに生まれてきたの?夢の一つも見ちゃいけないの?

 

エリスの複雑怪奇な料理とは大違いだ。美味い……。美味いじゃないか……。
そうだ、これからはヴィノレタの飯を運ばせよう。もう、エリスの飯を食う必要はない。
……。
違う。違うだろ。違う。そういうことじゃないんだ。
……俺は、不味くてもいいんだ。俺は……俺が食いたいのは……
わけのわからない感情で胸がいっぱいになる。
馬鹿な女なんだ、エリスは。イカレていて、煩わしくて、手がかかって──ロクな飯も作れず、変なことばかりする──どうしようもなくク.ソったれな女なんだ。
そのくせに、どうして……俺は、こんなにも悲しい。

 

他人なんて、少なからず自分とは全く違う理屈で動いてるものよ 料理の好みと同じで、カイムがおいしいと思うからって、エリスがそうだとは限らないんだから 共感することは難しくても、エリスはこんなものをおいしいと思うんだなって理解することは必要だと思うわ

 

私は、人の命令で動くことしかできないようにできてる 知ってるでしょ?私が檻の中で育ったこと でも、あの部屋が檻だと気づいたのはずっと後。ショウ.館に来てから 物心ついたときから、あの部屋にいたんだから当たり前
あの部屋こそが私の世界のすべてだった この世に太陽があることも、風があることも知らなかった 日に数回現れる人の命令に従うだけの毎日 命令に従えば褒められたし、命令以外のことをすれば殴られた だから命令に従うことだけを考え、それ以外の事なんて考えなかった
わかる?だから私は人形 誰かの命令のままに生き、それ以外のことはできないの
ショウ.館も嫌いじゃなかった 檻から無理矢理出されたせいで悪夢や幻覚も見たし、急に気持ち悪くなって日に何度も吐いたけど あそこには命令をくれる人がいた 命令に従って動くと、なんだかすごく安心した
でも、カイムが私をショウ.館から引っ張り出した 私は身請けされても何も感じなかった。ただ所有者が替わるだけだから 願ったことはただ一つ 私にとって、過ごしやすい環境を作ってくれること
辛かった 人形は自分で歩けるようにできてない。なのにカイムは、歩け歩け歩け歩け 自立しろ、自分で考えろ、お前の人生を生きろ
そんなの無理 外なんて出られないし、毎日、不安で怖くて吐きそうだった
それでも少しずつ慣れて、私はカイムの言う普通に近づいたんだと思う
でも、あの日── カイムは私を捨てた ……自由に生きろ、と言ってな 井戸の底に落とされたような気分だった 何も見えず、何も聞こえず、何も考えられず 穴という穴から、闇が入り込んでくるような、そんな気分だった 呼吸もできなくなるほど怖かった カイムにはわからないでしょう?

 

牢獄の環境は少しずつ良くなっているとはいえ、あくまでも『昔の牢獄に比べれば』という注釈がつく。下層に比べれば、地獄であることには変わりはない。俺やエリスが嘗めてきたような辛酸を、この子には味わわせたくない。
そして、もし可能なら……ただ今日を生きるためだけに生きるのではなく、『生まれてきた意味』なんてものを考える余裕のある生活を送らせられたら、と思う。

 

お前が地獄に生まれたことにも、お前が人形になったことにも、なんの理由もない 俺の家族が大崩落で死んだことや、俺がショウ.館に売られて人殺しになったことと同じくらい、理由もなく、意味もない
不条理だ、世界は 理不尽なことに溢れてる
だが、ここで終わってしまったら、本当にお前の人生はなんだったんだ 誰かのいいように動かされるために生まれてきたのか? それじゃ、あんまり寂しいだろ
考えてもみろ メルトもジークも、ティアも、ショウ.館の女たちも、お前の生い立ちなんて知らない それでも普通にやってきたじゃないか

 

私には、決して捨てられぬ信仰があります これは、私が私でいるための戦いなのです 決して引けぬ、最後の一線なのです

 

国の王たる者は、その一挙手一投足に民の命がかかっているのです 王が愚かであれば国は滅びます リシア様には、この者たちが罰を受けるところをしかと目に焼き付けていただきます 自らの軽率な行いがどういう結果を招くのか、真摯に受け止めていただきたい

 

なぜアイリスが怒ったかわかるか? 考えろ あいつの家族は、執政公の粛正にあった あいつは、王家を恨んでるだろう 執政公が粛正など行えるのは、王家が彼を自由にさせているからだ その王家の人間が、大して事情も知らないくせに、一時の同情で身請けするという アイリスの人生は、どれだけ王家に弄ばれればいいんだ?

 

……そうか…… 私は、アイリスの今までの人生を蔑ろにしたのだな 恨みも悲しみも苦労も知らず、ぽんと金で解決だ 私は、あいつを……物扱いしていたのだな…… 最低だな、私は……

 

黙っていれば誰かが教えてくれるとでも思っているのか? 人づてに話を聞くだけで真実が得られると思ったら大間違いだ

 

人間、切羽詰まると何故か死にやすい道を選ぶ 辛い状態から、少しでも早く逃げ出したいからだ

 

自分の頭で考えて生きている人間は、驚くほど少ない。誰かに自分を仮託して生きている。人間は多かれ少なかれ、そうやって生きているものだ。悪いことではない。しかし、リシアに限っては許されない。リシアこそが、そういう多数の人間を導かなければならないからだ。

 

もはや後には引かない そこが無人の荒野であっても、ただ一人であっても、歩き続けよう

 

で、殺した次の日に思うわけだ あたしが殺した奴らは、何のために生まれてきたんだろうってね だが、答えはない 牢獄では人の生に意味なんてないんだ、そうだろう?
あたしは教えて欲しいんだ、人生の意味ってのをね 殺して殺して殺し回っていれば、いつか誰かが教えてくれるんじゃないかと思ってるんだが、カイムはどう思う?

 

今までの私は果てしなく無能だった 聞けば何でも教えてもらえると無邪気に思っていた そして、お前の進言にも笑って肯いてきた
だが、ここにいるカイムが私の無能さに気付かせてくれた
昨日までの私は、確かに傀儡であった だが、今日からは違う もう誰にも、私を操らせはせぬ

 

「カイムさん……
ずっと、一緒にいたいです
正直に言うと、一人でいるのは寂しいです
ずっと一人で生きてきたのに、これから先は一人で生きていける気がしません
何だか……自分がどんどん変わっていくような、どんどん贅沢になっていってるような……
ちょっと申し訳なくて怖いです」

ティアの独り言のような告白は、どこか歌のようにも聞こえた。色恋に慣れていない少女の戸惑いが、光の粒となって旋律の周囲を舞っているかのような──儚く燦(きら)めく歌だ。こんなに美しいものが、絶望と諦めが沈殿した牢獄に存在している。
放っておけば、黒く澱んだ大きな手が、燦めきを蹂躙するだろう。それが恋愛感情だと明確に指摘することすら、ティアを汚してしまう気がして憚られた。

 

お前が何を大事にする人間なのか、私にはわからなかったのだ
時には理想、時には理屈、時には感情…… コロコロと主張を変え、それなりの正論を吐きながら、生きていく お前は頭がいいし、発言や判断は妥当なことが多い だから、誰もお前の行動を責めないだろう
だが、それだけだ
街を見ろ 皆、死と鍔迫り合いをしながら、最後の火花を散らしている 妥当性など紙屑同然の状況だ
そんな時に、お前はどうだ?
お前には、中身がないのだよ
カイム、お前は……何のために生まれてきたんだ?
私は、お前と話をしながら、いつもこう尋ねられている気がしていた 『自分の行動はこれで正しいですか?』とな しかも、何度も何度も追認を迫る
私は何度も言いかけたよ…… お前は自由なのだ、好きにすればいいではないか
一歩間違えば命を落とす環境で育ったことには同情する だが、もうそろそろ理解した方がいい
人とは、選択と行動によって人たり得るということを

 

崩落が起きてから、たくさんの人を看取ってきたけど 人間、後悔を残して死ぬっていうのが、意外と怖いみたい 日頃はだらだら生きてるだけなのにね

 

ティア……俺と帰ろう……
また、飯を作ってくれると……約束したじゃないか……
……一緒に暮らすんだ いや……もう、街中はやめるか…… 下層のどこかの草原にでも、家を建てよう そこで、静かに暮らすんだ
もう一度……笑ってくれ…… お前みたいな女には、都市を救うだの、人間を滅ぼすだの…… そんな、ご大層なものは似合わない
普通に、笑っていればいいんだ

 

今、この世界でカイムさんを護れるのは、わたし一人です
わたしなんかにはもったいないくらい、すごい話です
それだけでもう……
生まれてきた、意味がありました

 

ブログ管理人のコメント
神の加護の力で遙か上空に浮かぶ都市、という独特の世界観が魅力的なゲームです。胸を打つ言葉が満載の名作です。ブログ管理人は信仰心に満ちていてちょっと頑固な聖女イレーヌと血の味が大好きな戦闘狂のガウが好き。

 

穢翼のユースティア 名言文章言葉『穢翼のユースティア』(あいよくのユースティア)は、オーガストより2011年4月28日に発売された恋愛アドベンチャーゲーム。主に『FORTUNE ARTERIAL』や『夜明け前より瑠璃色な』といった明るい学園モノ(もしくはそれに準ずる作品)を手がけてきたオーガストだが、本作は退廃的な世界観をベースにシリアスかつハードなストーリーを盛り込んだ異色作にして意欲作であり、残酷な表現も多く見られる。

《ノーヴァス・アイテル》は、かつて人間が神に見捨てられ、世界が混沌の濁流に飲み込まれた時、聖女イレーヌが神に許しを請い、それを受けいれた神によって空に浮かせられた都市である。以後数百年、代々引き継がれた聖女イレーヌの力によって、この浮遊都市は守られてきた。《ノーヴァス・アイテル》には貴族が住む上層と、民衆が住む下層の2つの区域があった。

10数年前、《終わりの夕焼け(トラジェディア)》と呼ばれる光が天蓋を覆い、《ノーヴァス・アイテル》の下層の一部が地盤沈下した。後に《大崩落(グラン・フォルテ)》と呼ばれるこの悲劇では多くの人々が死に、生き残った人々の生活も激変させた。地盤沈下した区域は後に「牢獄」と呼ばれるようになる。牢獄の周囲は断崖絶壁となり、他の層とは容易に行き来ができなくなった。

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