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好きって絶望だよね。砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの名言

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 名言格言セリフ

桜庭一樹による青春小説

 

好きって絶望だよね

 

この世界ではときどきそういうことが起こる。砂糖でできた弾丸では子供は世界と戦えない。あたしの魂は、それを知っている。

 

ぼくとおかあさんで争って、ぼくが勝ったんだ。だから、おとうさんはぼくと一緒にいる。ぼくしかあの人といられないもん。

 

開けないよ。だって、鍵がかかってるもん。

 

今日び、博識になりたかったらインターネットですよ

 

今度はぜったいに見破らせない。ぼくは完全に泡化するよ。

 

その人、海の底で会ったよ。幸せそうだった。金銀財宝に、美女の人魚。地上のことなんて忘れて楽しくやってたよ。海で死んだ漁師さんはみんなそう。幸せだよ。よかったね。なんか楽しそうで踊ったり酔っぱらったりしてたよ。死んでも悲しくないよ。だから山田なぎさも元気だして、それでさ……。

 

……映子、左側で言いたいこと言うのって楽しいの?

 

「ごめん」
「……許さない」
「ごめん」
「ぜったい許さない」
「お、俺が……」
「おとうさんにしか殴られたことないんだから!」

 

ぼく、おとうさんのこと、すごく好きなんだ

 

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あぁ、海野。生き抜けば大人になれたのに……。だけどなぁ、海野。おまえには生き抜く気、あったのかよ……?

 

彼女はさしずめ、あれだね。”砂糖菓子の弾丸”だね

 

ぼくのためにすげーがんばってくれるいい感じの友達。そいつがみつからないと、海の藻屑になっちゃうの。

 

こんな人生は全部、嘘だって。嘘だから、平気だって。

 

あたしは背中に衝撃を感じると振り返って、床とか校庭とかに落ちたペットボトルをゆっくり拾うと、藻屑に歩み寄ってそれを渡し、きびすを返してまた歩きだす、というのを繰り返していた。

 

この日本海にいる人魚全部が仲間です。それでぼくがここにきたのは、人間界が知りたいからです。人間は愚かでお調子者で寿命も短くてじつにばかみたいな生き物だと波の噂に聞いたのできちゃいました。
みなさん、どうか どんなにか人間が愚かか、生きる価値がないか、みんな死んじゃえばいいか、教えてください。ではよろしくお願いします。ぺこり。

 

子供に必要なのは安心だ。俺はそう思ってる。だけどたくさんの家庭で、慢性的に、それは不足してるんだ。君だけじゃない。

 

そ。うちは妖魔の森なの。あたしが管理人。

 

ヒーローは必ず危機に間に合う。そういうふうになってる。だけどちがった。生徒が死ぬなんて。

 

藻屑を殴らないで

 

いつまでこれを飲んでものどの渇きはおさまらない気がして、あたしはミネラルウォーターのペットボトルから唇を離しながら、ああ、これが海野藻屑の正体だったのだと思った。

 

山田なぎさの兄って、すごく優しそうだね。なぎさもいい子だよ。家族思いだもん。兄とも仲がよさそう。きっとすごくいいおにいさんだね。ぜったいそうだよ、山田なぎさ。

 

ほんとだ。おまえ、痣だらけなんだなぁ。海野……おまえ、汚ねぇなぁ。

 

どうして好きな女の子のこと、殴るの?わかんない。どうしてそんなことできるの?花名島は海野藻屑のことが大好きなのに。どうして……?

 

……でも、友達じゃないだろ?あいつに友達なんていないだろう?あいつはばかだからな。ばかに友達なんてできない。生まれつきばかなんだ。母親に似てね。顔だけいいんだ。頭は……。

 

ちがうでしょ。あれは、憎しみでしょ。

 

日本海の底にはほんとに人魚のコミューンがあって、ぼくはその人魚たちの、姫なんだ。いまは人間界にきてるけど……ほんとはちがうんだ。全部、全部ちがうんだ。

 

こんな人生、ほんとじゃないんだ。 きっと全部、誰かの嘘なんだ。だから平気。きっと全部、悪い嘘。

 

ブログ管理人のコメント
短いお話ながら非常に心に残るキツいストーリーでブログ管理人が桜庭ファンになるきっかけになった小説。平易な言葉でも胸に迫る言葉ばかりです。ブログ管理人は悲運の少女の藻屑が好き。同筆者の荒野の恋の名言も合わせてどうぞ。

 

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 名言格言言葉文章『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(さとうがしのだんがんはうちぬけない、A Lollypop or A Bullet)は、桜庭一樹による日本の青春小説。

2004年に富士見ミステリー文庫より文庫本が刊行される(帯文には冲方丁による推薦コメントが掲載されていた)。挿絵担当はむー。少女小説風の文体や萌え系の挿絵・表紙(単行本では挿絵は全て削除)とは裏腹に、非常にショッキングなストーリー展開で、読者に衝撃を与えた。そのため単発作品でありながら、2006年度「このライトノベルがすごい!」で3位になるなど、異例の快挙を成し遂げる。この小説で桜庭一樹は一般文芸界に注目されるようになる。

2007年2月に富士見書房から単行本が発売され、2009年2月に角川文庫に収録された(辻原登による解説が収録されている)。ライトノベル系文庫本発売後に単行本が発売され、その後に一般文庫本が発売されるのは、出版業界としては異例の措置である。富士見書房『月刊ドラゴンエイジ』2007年2月号から2008年2月号まで、杉基イクラ作画によるコミック版が連載された。

山田なぎさは、片田舎に住む「早く大人になりたい」と願う女子中学生。ある日、彼女の通う中学に、自分のことを「人魚」と言い張る少女・海野藻屑が、東京から転校してくる。藻屑に振り回されるなぎさだが、藻屑の秘密に触れていくにつれ親交を深めていく。しかし、そんな二人に別れの時が迫っていた。

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