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あの少女はずっと、いる。 はるかな荒野にたたずんでいる。荒野の恋の名言

荒野の恋 名言格言文章

桜庭一樹によるライトノベル作品 イラストはミギーが担当

 

もちろんいまではもう、荒野は大人の女だ。
でも薄闇のような記憶の儚いベールに包まれて、あの少女はずっと、いる。
はるかな荒野にたたずんでいる。
小首をかしげてこちらをうかがっている。風が吹くと少女の髪が揺れ、その匂いがまた、新たな記憶を呼びおこすのだ。

 

男の子って、あるくの、はやいんだなぁ……

 

うまさん、食べて帰ろう、にょ

 

素敵だな、そうして制服の中に閉じ込めると、記号的になって、かわいいね

 

この子にコンタクト!授けてたもれ!

 

荒野って、ぼいん

 

遠くに行きたい、なにも所有したくない。それって人間の本能の1つだと思う。で、さっきの話だと、その本能を邪魔するもう1つの本能、所有欲が、恋じゃないかと思ってる

 

痩せるのは、ダイエットすれば、痩せる。でも太ったって胸は出てこないぞ。
すなわち、スレンダーは秀才。巨.乳は天才。荒野、おまえはいま、天才への道を歩み始めたのさ。

 

いま、悠也……怒った
あの子、わたしのために、怒った

 

小説もきっと、ハングリー・アートなんだよ。あの人はきっと、恋愛小説を書き続けるために、あんな、蜻蛉みたいな男になったんだ。あれは人間じゃない。言葉に憑かれた生霊さ。女って餌を食っては書き、書いては食うんだ。きっと、死ぬまでやめないんだ

 

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娘のことは書かん。これまでも、これからも。
この子はぼくの宝物だ。利用はせん

 

あいつも、荒野のこと好きな仲間だと思う

 

いまの気持ちはなんだか不安で、すごく怒ってるときにも似ていて、へんだと思うこと。恋というものはもっとかわいくて、幸せなものだと思っていたこと。だから……。
いまの、不安で、湿った、どこか暗い熱さ……。

 

このうち全体が、ずっと、吊り橋みたいに揺れているよ

 

遠くに行きたいんだ
なにが待ってるかわからないこそ、そこが荒野なんだ

 

荒野、大人になったらわかるわ。人生は……このコーヒーよりずうっと、苦いのよ

 

「ただいま。サインください」
「えぇっ。どうした、黒猫よ」

 

日々ときめくというのは、素敵なことなんだよ。じつは。
まわりの女たちを、見てみなさい。大人という生き物は、そうそう、ときめいたりしないものなんだよ。
そうして、そうなってからのほうが、人生は長い

 

(わかった……
これが地下秘密組織だ……。女子が、男子に、ついに追いついたんだ……。
これが地下活動……。大人は知らない……。男子も知らない……。女子だけの……うっ)

 

ほかの女の子を好きに、なって。わたしじゃ、だめだよ

 

ねぇ……。それで、荒野はどうだった?

 

時が流れて。ときには、ぼんやりしている荒野自身をも置き去りに、流れて。振りかえると、あの季節は、あっというま。瞬きするほどの一瞬の日々よ。
あの少女はずっと、いる。
遙かな荒野にたたずんでいる。
風が、吹くと、少女の髪が、揺れ……。

 

……獲ったぞ

 

(なんでも、見るんだ。
もう、子供じゃない。わからないことばかりじゃない。荒野は子供じゃない……)

 

ブログ管理人のコメント
ブログ管理人が大好きな少女小説。砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないとはまた違った少女の側面と淡い青春の日々を情感豊かに描いています。タカハシマコによるコミカライズも大満足の出来。

 

荒野の恋 名言格言セリフ名文『荒野の恋』(こうやのこい)は、桜庭一樹による日本のライトノベル作品。ファミ通文庫から刊行され、イラストはミギーが担当している。「恋の三部作」とも呼ばれている。桜庭本人が「『GOSICK -ゴシック-』以外のライトノベル作品は出さない」と発言したため、ファミ通文庫での完結は困難になった。桜庭も2008年に入ってから刊行を示唆するような発言を度々しており、2008年5月下旬に文藝春秋から『荒野』と改題して単行本が発売された。

漫画版は少女漫画雑誌『なかよし』(講談社)にて、2011年9月号から2012年9月号まで連載。全12話。作画担当はタカハシマコ。原作としてクレジットされているのは文春版であるが、表題はファミ通文庫版に依って「荒野の恋」とされている。

山野内荒野は12歳の中学1年生。鎌倉の大きな屋敷に家政婦の奈々子さんと、プレイボーイの小説家の父親・正慶と暮らしている。荒野は、制服が電車のドアに挟まれたのを助けてくれた神無月悠也に一目ぼれするが、彼はなぜか荒野を避けていた。
とある雨の降る日に、悠也は母親の蓉子さんと一緒に、荒野の家を訪ねてくる。そこで初めて、荒野は父親が蓉子さんと結婚するということを知らされたのだった。

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