俺が、両方守ってやる。君のバスケも、居場所も、俺が守る。……守らせて、欲しい
……うん。正直、まだ勝算があるってわけじゃない。……でも、そうすれば君のバスケを守ることが出来るのなら、尽くしきるところまで手を尽くしてみたいんだ。そう、させて欲しい。それにさ、本気になった智花があれほどの選手なら、まだ希望なんていくらでも見いだせる。前言撤回、全部考え直しだよ。これ、お世辞じゃないぞ。なあ、本当にすごいんだよ。君は。地区優勝? は、それがどうした。そんな肩書きより君の方がすごい
だって今は、みんなと一緒だもんっ……!
……でもね、せめて一声かけて。小さな女の子だけじゃなく、私のことも心の片隅くらいには気をとめておいて
まだ、終わりにしたくない。もっと、みんなと、部活したい。でも、ひな、何も出来ない。バスケ、へたくそで、足、おそい。シュート、あんまり届かない。……なさけない
お願いします、おにーちゃん。ひなも、がんばります。いっぱい、がんばりますから。だから、だから。ひなにもバスケ、教えてください
おー。ひなだけへたくそだと、みんないっしょに楽しくなれない。だから、頑張らないと
がんばって、みんなに褒めてもらえたとき、怖いことが楽しいことに、ちょっとだけ変わりました。
どんな怖いことでも、みんなと一緒ならいつか楽しいことに変えられるかもって、『今』は思えるようになりました。
だからわたしは、みんなと一緒のバスケ部が、大好きです。
お前、妹のくせにぜんぜんわかってねーよ、ひなたのことっ!
いいか!ひなたはな、マラソン大会で、一度だって途中で歩いたことなんか無いんだぞ!
いっつもドベの方だったけど、それでも最後まで絶対諦めなかった!
一年の頃から、ずっとだ!
そんなひなたの頑張りをちゃんと見もしねーで、本気で相手もしないなんて……お前ねーちゃんのことどんだけ馬鹿にすれば気が済むんだよ!
ひな、嬉しい。やっとかげに追いついたから、嬉しい。ひなは走るのがおそかったから、ひなとかけっこしても、おにごっごしても、かげはあんまり楽しくないかもって思ってた。でも、もう平気。ひな、頑張って速くなったよ。
だから、かげ。これからも、いっぱいいっぱいひなといっしょに遊ぼう?
智花が、真帆が、紗季が、愛莉が、ひなたちゃんがいてくれた。
五人のひたむきさと無邪気さが、バスケの本質的な楽しさと難しさを、新鮮な色でもう一度見せてくれた。
葵が、一成が、柿園が、御庄寺が、竹中がいてくれた。万里とも、出会うことができた。
不自由しながらも、どんなしんどい基礎練習にだって協力してくれた。
コートの広さを、パスを出す感覚を、薄れていきそうになる勝負勘をつなぎ止めてくれた。
大切な仲間に囲まれて俺は育てられていた。
それを今ここで、証明する。
やはり俺としては、本物志向で在り続けたい。
ひなた「おにーちゃん。ひな、およめさんだよ。抱っこしてください」
昴「よしきた。おいで」
ひなた「わーい」
――深い葛藤に陥るのだった。
――小学生とクリスマス旅行する。
そんなに変わらない気がする。どっちも健全そのものじゃないか。
うどんは小学生に限るな
今どき珍しい正統派のスポーツ根性モノと、可愛いキャラクター性の両面を兼ね備えた希有な作品。胸を打つ感動的な名言と怪しい発言が入り混ざっています。ブログ管理人は作中で何度も天使と呼ばれ、トリッキーなバスケプレイヤーのひなたが好き。
『ロウきゅーぶ!』(RO-KYU-BU!)は、蒼山サグによる日本のライトノベル作品。イラストはてぃんくるが担当している。電撃文庫(アスキー・メディアワークス)より2009年2月から既刊14卷が刊行されている。
『電撃G’sコミック』、『電撃G’s Festival! COMIC』にて漫画版が連載中。2011年4月にドラマCDが発売され、同年7月から9月までテレビアニメ版が放送された。また、テレビアニメ第2期『ロウきゅーぶ!SS』が2013年7月から9月まで放送された。
所属していたバスケットボール部が不祥事で休部となってしまった後、小学校の女子バスケットボール(ミニバスケットボール)部でコーチをすることになった男子高校生を主人公として、部員である小学生のヒロインたちとの交流や成長を描く。美少女キャラクターの魅力を描いた「萌え」の要素と、シリアスなスポーツの描写を盛り込むスポ根の要素を融合させた作風となっている。タイトルの由来は「籠球」(ろうきゅう。バスケットボールの和名)と「休部」(きゅーぶ)から。
バスケ好きの高校生・長谷川昴は七芝高校バスケ部に入部するが、入部早々に1年間の部活動停止の憂き目に遭ってしまう。行き場をなくし日々所在なく過ごしていた昴だったが、小学校で教師をしている叔母の強引な誘いから、叔母の教え子である慧心学園女子バスケットボール部の臨時コーチを引き受けることになった。
当初は女子小学生達が相手の慣れぬ環境に戸惑う昴だったが、やがて女子バスケ部が体育館の使用権を巡って同校の男子バスケ部との間にトラブルを抱え、部の存続を賭けた試合を控えていることを知る。湊智花をはじめとする女子バスケ部員の過去の事情と、彼女らのバスケに対する想いに真正面から向き合ったことで、昴自身もバスケに対する情熱を取り戻し、それぞれの想いを守るために積極的に活動を進めていく。
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