奈須きのこによる日本の長編伝奇小説
生きているのなら、神様だって殺してみせる
いいか?感覚がないということはね、何も得られないということなんだよ、黒桐。そうだ。乱暴に言えば、体が無いに等しい、生の実感さえ得るのが難しいだろうな。
学院時代からの決まりでね。私を痛んだ赤色と呼んだ者は、例外なくブチ殺している
…罰っていうのは、その人が勝手に背負うものなんだと思うんだ。その人が犯した罪に応じて、その人の価値観が自らに負わせる重荷。それが罪だ。良識があればあるほど自身にかける罰は重くなる。常識の中に生きれば生きるほど、その罰は重くなる。
「アラヤ、何を求める」
「――――真の叡智を」
「アラヤ、何処に求める」
「――――ただ、己が内にのみ」
「アラヤ、何処を目指す」
―――――知れた事。この矛盾した螺旋の果てを―――――
「――――真の叡智を」
「アラヤ、何処に求める」
「――――ただ、己が内にのみ」
「アラヤ、何処を目指す」
―――――知れた事。この矛盾した螺旋の果てを―――――
生きていく為には娯楽がいる。ただ生きるだけでは、機械と同じですから。
・・・そう。全部あいつのせいなんだ あいつのせいでこうなった あいつのせいで弱くなった あいつがいなければこんなわたしじゃなかった だから、―――あいつがいないと、わたしは、生きてさえいけないんだ
黒桐。魔術師という輩はね、弟子や身内には親身になるんだ。自分の分身みたいなものだから、必死になって守りもする。・・・・・・まあそんなわけだから、きみは安心して待っていろ 今夜には式を連れて帰る
その闇を見ろ そして、己が名を思い出せ
根拠はないんだ。けど、僕は式を信じ続けるんじゃないかな。・・・・・・うん、君が好きだから、信じつづけていたいんだ。
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おまえもホラーというものが解っていない。人を恐怖させる物の条件は三つ必要だって知っているか?一つ、怪物は言葉を喋ってはならない。二つ、怪物は正体不明でなければいけない。三つ怪物は、不死身でなければ意味がない。
境界は不確かだ。定めるのは自分だというのに、決めるのは外側になっている。なら初めから境界なんて存在しない。世界は全て空っぽの境界でしきられている。だから、異常と正常を隔てる壁なんて社会にはない。───隔たりを作るのはあくまでも私達だ。
おまえは死んだはずだ、なんてお決まりの台詞はよしてくれよコルネリウス 器が知れるぞ。あまり、私を失望させないでくれ
…そろそろ行くわ。ねぇ、黒桐くん。あなたは本当に何も望まなかった。白純里緒と対峙した時も、死と隣り合わせだったのに中立を選んだ。わたしには、それが不思議で仕方なかったの。あなたは今日よりもっと楽しい明日がほしくないの?
人間は、一人一人が全く違った意味の生き物。ただ種が同じだけということを頼りに寄り添って、解り合えない隔たりを空っぽの境界にするために生きている。そんな日がこないことを知っていながら、それを夢見て生きていく。
たとえば雨。霧のように降りしきる放課後。たとえば夕暮れ。燃えるような教室の景色。たとえば雪。初めてあった白い夜と、黒いかさ。きみがいて、わらっているだけで、幸せだった。安心できて、不安なのに。きみがいて、あるいているだけで、嬉しかった。一緒にいれて、一緒じゃないのに。ほんのひととき。その木漏れ日が暖かそうで立ち止まっただけ。けれど、いつか同じ場所に居られるよときみはわらった。……その言葉を、ずっと、誰かに言ってほしかった。―それはほんとうに夢のような日々の名残。
どんなにつまらない物でも、そこに魔術の痕跡と長い年月があれば付加価値が生まれる。ま、それでも役立たずには変わりない。分類するなら趣味の一品というヤツかな。
今の私は、この生活も気に入っていたんだ、、、いくつもの奇跡と偶然によって積み重ねられた、日常という名の螺旋をね、、、だから、守れるのならば、守ろうと思っただけさ。
ブログ管理人のコメント
人気同人ゲームの月姫から直死の魔眼という設定を受け継ぐ、哲学的な伝奇小説。物事を違った側面から見つめ直すための名言がいっぱいです。ブログ管理人は神業の人形師の蒼崎桐子が好き。
人気同人ゲームの月姫から直死の魔眼という設定を受け継ぐ、哲学的な伝奇小説。物事を違った側面から見つめ直すための名言がいっぱいです。ブログ管理人は神業の人形師の蒼崎桐子が好き。
『空の境界』(からのきょうかい)は、奈須きのこによる日本の長編伝奇小説、および同作を原作としたドラマCD、アニメ、漫画。サブタイトルは「the Garden of sinners」。イラストは武内崇。愛称は「らっきょ」。
1998年10月から『空の境界式』の題名で、web小説として奈須と武内の同人サークル「竹箒」のホームページ上に掲載されたのが初出である(第1章 – 第5章まで)。講談社ノベルスより2004年6月8日に一般書籍(商業版)として刊行された(全2巻)。同日発売された5000部限定の愛蔵版は9,800円と高価であるにもかかわらず、予約開始から約2時間で完売した。通常版・愛蔵版合わせて、2007年5月時点で70万部以上の売り上げを記録。2006年12月には、ufotableによる劇場アニメ(全7部作)の製作が発表された。2007年12月1日の『第一章』を皮切りに順次公開され、2009年8月8日には最終作の『第七章』が公開された。
1998年9月、観布子市では少女による飛び降り自.殺が多発していた。自.殺した少女たちの関連性は不明で、場所はきまって巫条ビルという取り壊しの決まった高層ビルだった。両儀式はその巫条ビルの上空に浮遊する少女たちを目撃する。
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