杉井光のライトノベル イラスト担当は岸田メル
きみの腕も、きみの脚も、きみの眼も耳も、きみの喉も、きみの爪も、きみの歯も舌も、きみの血の最後の一滴までも 今はすべて、ぼくの道具だ。
自分がこの世界に対してなにか意味があることを成せるなどと思わないことだね 君が気にかけているほど世界は君を気にかけていない。…でもそれが心理だよ。それに気づいたとき人は大人になれる。
人を騙すときの黄金則――多くの真実の中に目的となる嘘をまぎれこませること。
奇跡は誰にでも一度起きる だが誰もそれに気付かない 大丈夫 一度起きたのなら二度目も起きる きみとぼくが出逢ったことも きみが毎日来てくれてることも 丼をひっくり返さずバイトに合格したのも すべて奇跡だよ
君はニートというものを根本的に誤解しているようだね NEETの2文字目のEはemployment。つまり雇用職だ 個人事業主は該当しない あとは当人の考え方の問題だよ
歴史上最も多く人を殺してきたものはなんだと思う?爆薬ではないし毒薬でもない。情報だよ。知ることは死ぬこと。
ぼくらニートが苦しむ理由というのは突き詰めれば一つしかない。なにをすればいいのか、わからないのだよ。……でも、きみだってそうだろう? なにをすればいいのか、わからないんだ。
スポンサーリンク
真実は君の平穏を破壊する可能性がある それでも知りたいかい?
ニートというのはね。なにかが「できない」人間や、なにかを「しようとしない」 人間のことじゃないんだ ちがうのはただ、ルールなんだよ みんなが双六をやってる盤の上に、ぼくらだけチェスの駒を並べてるようなものさ
藤島くんもパソコン部で忙しいもんね。ごめんね?こないだパソコンで描いていた女の子の絵もうすぐ完成だもんね?スカートは後から描くんでしょ?
全員救えると思ってんのか。 どっかで線引きしなきゃやってらんねえ
真の探偵は俗人には理解されない仕事だからね。その本質は、死者の代弁者だ。失われてしまった言葉を墓の底から掘り返して、死者の名誉を守るためだけに生者を傷つけ、生者に慰めを与えるためだけに死者を辱める。理解も歓迎もされるはずのない仕事だよ
宗教の存在意義はつきつめればただひとつしかない。気が楽になるんだよ。
意味なんてものは、だれかがだれかに伝えたいものがあるときにはじめて生まれるのだ。だから、この世界のほとんどのものに、意味はない。
家族というのはね、お互いを無条件で赦し合える最小の社会単位だよ この世で最も美しい幻想のひとつだ
ひとりの人間のイメージというあやふやなものに、億単位の投資が集中するのが芸能界だ。その重みは人知れず骨を苛む。そして、ふとした弾みで崩れ落ち、偶像を押し潰す。
それでもぼくらは、生きていかなきゃいけない。残されたものをつぎはぎして、ほころびを繕って、折れた櫂で川面をかき混ぜて。生きている限り生き続けなきゃいけない。それは神さまが、ぼくらニートさえも例外とすることなくすべての生命に書き込んだ命令だ。
憎しみを捨てろとは言わない。ぼくだってそんなことはできない。でもその感情は、熱力学第二法則をおびやかすほどの効率で行動力に変えたまえ
ブログ管理人のコメント
ニート探偵のアリスの詩的で怜悧な言葉が光る、異色のニート系推理小説。「えっ、そうなの!?」と驚く新しい見解がいっぱいです。ブログ管理人はアリスのもとに2億円をもって逃げ込んできたタイ人少女のメオが好き。
ニート探偵のアリスの詩的で怜悧な言葉が光る、異色のニート系推理小説。「えっ、そうなの!?」と驚く新しい見解がいっぱいです。ブログ管理人はアリスのもとに2億円をもって逃げ込んできたタイ人少女のメオが好き。
『神様のメモ帳』(かみさまのメモちょう)は、杉井光のライトノベル。イラスト担当は岸田メル。電撃文庫より2007年1月から刊行されている。略称は『神メモ』。
都心の繁華街やその周辺の高校などを舞台に、普通の高校生である主人公・藤島鳴海と、雇い主である探偵・アリス、探偵をサポートするニート達が活躍し、現実的・都市的な脅威を描いている。
物語の主人公である藤島鳴海は、父親の仕事の都合上、東京都のM高校に転校する。かねてから転校を何度もしてきた鳴海は、人見知りに毛が生えたような存在だ。そんな彼を変えた、というより元に戻したのが、クラスメイトである彩香だ。彼女との出会いが、はなまるラーメンの店裏に集う、ニートたち知り合うきっかけとなる。その偶然が鳴海の灰色ともいうべき、高校生活を変えてゆく。
コメント